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一般的に 「SHIRT(シャツ)」 と言われているものは何なのでしょうか?
身近にある 「シャツ」 と名の付くものを挙げてみると、ワイシャツ、ドレスシャツ、カジュアルシャツ、ビジネスシャツ、アンダーシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、などなど多種多様です。
ワイシャツとTシャツは、生地も違えば形も違う。アンダーシャツとポロシャツは、用途とディテールが違う。
「シャツ」 という名の付くものは、現在かなり多数あって、 「シャツとは何か?」 を定義づけることは、とても難しいのです。
では、 「SHIRT(シャツ)」 という言葉の語源は何なのでしょう?
昔の人たちは、みんな上下続きの衣服を身につけていました。これがヨーロッパで17世紀初めに上下別々になったといわれています。この時に、上半身に短く着るものとして 「SHORT(短い)」 ⇒ 「SHIRT(シャツ)」 へと言葉が変化したようです。
ちなみに、下半身に短く着るものは 「SHORT(短い)」 ⇒ 「SKART(スカート)」 になったそうです。
「SHIRT(シャツ)とは何か?」 ⇒ 大雑把に言ってしまえば、「上半身に着る衣類の一種」 でしょうか・・・ |
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今回は少し有名な話です。ご存知の方も多いかと思いますが、「ワイシャツ」の語源について書いてみようと思います。
Tシャツは形が「T」だからTシャツ。という事は、ワイシャツは形が「Y」だからワイシャツ。
これは間違いです。そもそも形が「Y」になっていませんね・・・
「ボタンを上の方だけ外した時の形が、Yの字に見える」というのも間違いです。
正解は、シャツが日本へ渡ってきた時、白無地シャツの事を欧米人が「white shirt (ホワイトシャツ)」と言ったことから「ワイシャツ」と変化したといわれています。(当時シャツといえば白無地だったようです)
日本人には 「white shirt」 が 「ワイシャツ」 と聞こえたのかもしれませんね。
現在では、白無地でなくても「ワイシャツ」と言うようになりましたが、昔は白無地シャツの事を「ワイシャツ」と言ったのです。 |
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シャツのボトムライン (裾の形) は衣類の歴史と深い関係があります。
現在では信じられないような事ですが、19世紀中頃まで西洋の男性には、日本のフンドシにあたるような下着がありませんでした。シャツとズボンを素肌の上にジカに着用していたのです。
その為、シャツの裾が下をくるむ役目を果たしていました。このためにシャツの裾は、アーチェリー(弓)型になっていました。
これは、サイドにも生地があるとズボンに入れた時にごわつく為、「前後だけ長く」したと思われます。

また、後身頃が前身頃より長いシャツもあり、さらに、後身頃の裾の中央から長いタブがついていて、前身頃に下から廻してボタン止めするようになっていたシャツもありました。
こうすることで、下をしっかりと覆え、さらにシャツの 「ずり上がり」 も防げるようになっていたのです。
こういった歴史的な背景があって現在のようなシャツの裾が出来上がったのです。
現在のシャツの裾がアーチェリー(弓)型になっているのは、その昔、シャツが下着だったからなのです。 |
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前回の 「Vol.3」 で書いたように、昔、シャツは下着の役割も果たしていました。
ワイシャツの前身(元)はブラウズといって、今の婦人用ブラウスよりもレースなどが沢山ついたもっとドレッシーなものでした。
日本では 「ブラウス」 といえば女性用の衣類ですが、昔の欧米ではブラウスを男性が着ていたという歴史があります。
その時代からシャツの上には、ネクタイやベストなどを着用するようになり、そしてスーツを着るようになりました。この歴史と並行して、ブラウスのレースやフリルがなくなり、合理的な今のシャツが完成しました。
(ブラウスはもともとドレスアップ用の下着で、合理的なものではありませんでした。)
こういった事から、伝統的には、シャツはスーツに付属した衣類で、位置づけからすれば、やはり 「下着」 なのです。
そして、「下着」 であるシャツが、「外着」 へ変わる決定的な商品が生まれます。
この決定的な商品については、また次回のコラムで ・・・ |
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シャツがまだ 「下着」 だった時代、人前でシャツ姿になる事は無礼だとされていました。それはもちろんシャツが 「下着」 という位置づけだったからです。そんな習慣が、アメリカでくずれます。
戦後、アメリカで、シャツにポケットがつくようになります。あくまで推測ですが、シャツにポケットがついていた方が色々と便利だったからでしょう。これがシャツの 「外着化」 の第一歩となり、世界中にひろがっていきます。
アメリカ人は、さらにシャツが 「外着」 であることを決定的にする商品をつくりだします。
それは、「半袖ワイシャツ」 です。
シャツが下着なら、半袖の上着がない限り長袖でないとおかしいという事になります。半袖の上着がないのに(この時代は)、半袖シャツが着られるという事は、シャツが完全に 「外着化」 したという事になります。
シャツが外着化した事で、シャツの生地や柄や色、デザインのバリエーションが急速に多様化します。
生地の柄や色が増え、かつては白一色だったシャツが (Vol.2参照) カラーになり、デザインのバリエーションが増える事で「Vol.1」で挙げたように様々なシャツが生まれたのです。 |
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Vol.1~5までは、シャツの歴史について述べましたが、やはりシャツを着ている時に一番気になるのは、首周りやカフス等の汚れではありませんか?
一口に汚れと言っても様々ですが、一番は汗です。汗の実に99%以上は実は水だそうです。残りの0.6%が塩化ナトリウムで、その他ごく微量の尿素、塩素、乳酸等で構成されています。
また、都市部にお住まいの方は排気ガスや煙突の煙などに含まれる微細な炭素粒子が衿を汚すのに対し、郡部ではこれが
砂塵にとってかわります。
全国を駆け巡る営業の方の中には、都会での汚れが黒っぽいのに対し郡部では黄色っぽい事に
気付いてらっしゃる方も多いと思います。
研究熱心なクリーニング業者さんは、それぞれにあったクリーニング法を採用されている所もありますので、季節の変わり目
には信頼のおけるクリーニング店に出される事をお薦めいたします。
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シャツを買われて、何回か洗濯をするとボタンが1つ無い・・・なんて事はないでしょうか?
ボタンを捜してもなく、渋々、別のボタンを付けたはいいが色が合わない。。。
この様な事になる原因は、機械でボタンを付ける際の糸調子が生地にあってなかったり、ボタンに根巻きされてない。
等の様々な原因があります。
既製服の場合は、同じ生地ですので合わせれば直りますが、オーダーシャツでは、そうもいきません。1着1着、生地やボタンの種類が違うので1着に合わせても次の1着には合わない事が多々あります。その為、設定を変えず付けてしまいがちです。
結果、ボタン が取れ易くなります。
TWO FITでは、この様な事が起こらない様ボタンを1つ1つ、職人の手作業で付けております。
「人」によるボタン付けはコストがかかりますが、「人」しか出来ない微調整や暖かさは機械には真似できません。
TWO FITのシャツを着られる時に、少しでも感じて頂ければ幸いです。
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今ではシャツに欠かせない存在となっている「ドゥエボットーニ」ですが、この「ドゥエボットーニ」の意味をご存知でしょうか?
実は「ドゥエボットーニ」とは、イタリア語で「2つボタン」という意味です。
それぞれに意味があり「ドゥエ」は「2つ」、「ボットーニ」は「ボタン」という意味があり、合わせて「ドゥエボットーニ」となります。
では、「トレボットーニ」は…? お察しの通り「3つボタン」という意味なんです。
元々、この種類の台衿はイタリアの伝統的な衿腰の高いスーツに合わせる為に出来た台衿のようです。
また、「ドゥエボットーニ」は「ハイカラ」の語源になった台衿と言われています。
そもそも、明治期に洋装の流行であった衿腰の高いシャツ「high collar」(ハイカラー)を着ている人々を指して、初めは
「ハイカラー」と呼んでいたそうですが、それが転じて「ハイカラ」となったそうです。
この様なストーリーを感じながらオーダーして頂くと、より一層楽しめるシャツが出来上がるのではないでしょうか。
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ボタン選びはプロの方達でも難しく、服のサイズやデザインや生地の色、柄によってもどんな形でどんな材質のボタンをつけたらいいのか度々悩むそうです。
では、その難しいボタン選びは何を基準に選べばいいのでしょうか。やはりまずは、シャツの用途を考える事が大事ではないかと思います。例えば、よく洗うようなカジュアルなシャツには割れやすい貝釦を付けるのは避け、ドレスシャツには頑丈そうなイメージの重たいメタルボタンは付けないですよね。というように、シャツのボタン選びにはそのデザインや素材、用途に合わせた基準があります。デザインによってはその基準を無視してもおもしろいでしょう。
このような事を参考にし、選んでいただくとより一層オリジナルのシャツ作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか。 |
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「衿を正す」という言い方があります。これは、姿勢や服装をきちんと整えるという意味と、気持ちを整えて物事にあたる態度を示すという意味があります。もともとここでいう衿とは着物の衿のことですが、今に置き換えるとシャツの衿の事になるのではないでしょうか。特にビジネスシーンにおいては、衿がぱりっと整っていないとどこか、だらしがないと思われてしまいますから、いつもアイロンできっちりプレスしておかなければならないという観念が今もあるのではないでしょうか。
しかし、気候の変化から、ネクタイをしないスタイルが普及し始めてからは衿の形にもよりいっそう種類が増え、着用シーンも広がったように感じます。
少し固い感じになりましたが、文頭の内容のように衿はシャツの中で一番ポイントになる重要な部分です。
当サイトでも「多数のバリエーション」を用意してございます。
このような観点を踏まえつつ、顔の輪郭や首の太さ、スーツやネクタイ、パンツなどとの相性などを考慮し、既製服では味わえない自分だけの衿型を選んでみてはいかがでしょうか。 |
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カフスは必ず両袖にあるので、カフの複数形で呼ばれています。カフスは衿のデザインの影響が大きく、衿が顔を美しく見せる役目があるように、カフスは手をきれいに見せる表現手法として役立ってきました。カフス・デザインが著しく発達したのは14世紀のルイ王朝時代、男女ともゴージャスにレースや刺繍で飾ったり、プリーツを駆使したりと、衿もカフスも華やかだったようです。19世紀以降は機能美を主にする傾向にあって、メンズのディティールでは、遊び心を表現できる数少ない部分でもあり、デザインバリエーションは幅広くあります。
スーツ着用の多い男性は、カフスは欠かせないおしゃれの一つであるでしょう。
基本的に男性のファッションでは、ディティールにこだわる事でオシャレをする事が多いですね。
表地をカラーに合わし、裏地を別生地で作るのも一つの遊び心では?
当サイトではこのような要望にも出来る限りお答えしています。
何かありましたら、お問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせ下さい。 |
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「クレリック・シャツ」とは、ご存知の様に「襟とカフス」を無地の白生地にしたシャツが代表的です。
差し色の白生地が爽やかな印象を与えてくれるデザインですが「クレリック」の意味をご存知でしょうか?
そもそも「クレリック」とは、英語で「聖職者・牧師」を意味する「cleric」からきています。昔、牧師さんが着用していた襟が白いシャツにちなんで、こう呼ばれる様になったようです。
しかし、実は英語を使っているこの呼び方は欧米では通じないことをご存知でしょうか?
「クレリック・シャツ」とは日本独自の呼び方であり欧米では、「ホワイト・カラード・シャツ」という呼び方が一般的です。この様な日本でしか通じないシャツ用語は以外と多く有名な所では「Yシャツ(Vol.2)」「カッターシャツ」などがあります。
「クレリック」の歴史を感じながら着て頂くと、より一層シャツを楽しんでいただけるのではないでしょうか。
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普通、ストライプとは線や点で構成されています。ここでは人の感覚と線の形状との関係についてお話させていただきます。
ストライプと一言にいっても、色んなタイプのものが存在します。その方向が斜めの方向であったり、点で構成されていたり、太さや数の違いや様々です。人はこれを無意識に感覚としてとらえ、それぞれに違った印象を感じるものです。
例えば、銀行員の制服にはアシンメトリーな柄や、綾の入ったもののように、不安定なものは使われていないと思われます。これは、銀行が不安定なものであっては困るための配慮と考えられます。
もう少し具体的には、一定の間隔や大きさ、位置などにより整理された柄には、落ち着いた、もしくは安定した印象を与える為フォーマルな装いに向いているでしょう。逆に、マルチストライプや綾織、変則的な柄には動的な印象があり、人と差をつけたい場合やプライベートな場面に向いていると言えるでしょう。
人はこのように、無意識のうちに目に入ってくる情報により心が左右される場合があります。生地を選ぶ際や、様々な日常の場面で活用できるのではと思われます。是非参考にしてみて下さい。 |
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以前、コラムvol.12で少し触れておりますが日本でしか通じないシャツ用語の中で「カッターシャツ」という言葉があります。
この「カッターシャツ」という言葉は関西以西では一般的ですが関東以北では「ワイシャツ・ドレスシャツ」が主流ですので関東の方は学生が着るシャツというイメージが強いかもしれません。
さて本題の語源ですが実は、カッターシャツは1918年に美津濃(現在のミズノ)が発売したスポーツ用のシャツで元商標なのをご存知でしょうか?
しかも「カッター」とは「第一次世界大戦に勝った」という言葉の「勝った」を創業者の水野利八氏がもじった造語です。
つまり「勝ったーシャツ」なのです。
この言葉が一般的になり現在に至ります。
この様なストーリーを感じながらオーダーして頂くと、より一層楽しめるシャツが出来上がるのではないでしょうか。 |
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